「社員も驚いた」(ソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役 社長兼グループCEOの久多良木健氏)というPSPの価格は,税込みで2万790円(税抜きで1万9800円)。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が2004年10月27日に開催した「PSP」の記者会見では,価格に関して質問が集中した(関連記事)。 「新しいカテゴリの製品なので比べるものがない」。質問のたびに久多良木氏はこう答えたが,頻繁に引き合いに出したのは米Apple Computer, Inc.の「iPod」だ。「音楽を再生するだけのiPodは4万円」として,ゲーム以外にも音楽や映画を大きな画面で楽しめるPSPの割安感を強調した。 それではPSPの価格がなぜ1万9800円に決まったのか…。久多良木氏は,部品内製化率の高さがカギだと語った。同氏によると,PSPの部品内製率は「50%近辺」という。多くの部品を他社
ソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代ゲーム機「プレイステーション 3」(PS3)がついに発表されました。米国ロサンゼルスで16日午後に開かれたPS3の発表会場にいる蓬田記者と連絡をとりながら,プレスリリースを目を通していると,いくつか興味深い数字が目に飛び込んできました。 まずはPS3に搭載するマイクロプロセサ「Cell」の動作周波数が3.2GHzであること。2005年2月に「ISSCC 2005」でCellを発表した際にSCEは「試作チップは4GHz以上で動くが,量産品の動作周波数は未定」としていました。歩留まりや消費電力を考慮すると,3.2GHzが妥当だと言う結論に達したわけでしょう。ちなみに3.2GHzという動作周波数は,米Microsoft Corp.が先週発表した「Xbox 360」のマイクロプロセサと同じです。どちらのチップもゲーム機の発売時には,ニューヨーク州のEa
ソニーとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE),東芝,米IBM Corp.が開発した次世代マイクロプロセサ「Cell」は,マルチコア型のアーキテクチャを採っています。Power型のCPUコアが1つ,それにSPEと呼ぶ信号処理プロセサ用のコアが8つ,合計9個のマルチコア構造です。では,どのような背景からSPEの数が8個に決まったのか——。 半導体を設計する上で重要な要素は,どのような微細加工技術を用い,チップ面積をどこまでに抑えるのかという点にあります。プレイステーション2が発売されてから既に5年が経過するSCEにとっては,次世代ゲーム機をそろそろ実用化したいところです。では現時点において安定しつつある最先端の半導体技術といえば90nmルールです。では90nmで製造するのに,コスト的に妥当なチップ面積はいくつになるのか−−。当初の目標は185mm2だったそうです。ところが,8個のS
私は「iPod」を手放せない。片道1時間半の通勤中はもちろん,自宅ではスピーカにつないでステレオ代わりに,長距離のドライブでは大容量のCDチェンジャーとして,一日何時間も私の傍らにある。これほど入れ込む理由は何か,私なりに常々考えてきた。iPodの新製品が登場したのを機に,その一端をしたためたいと思う(関連記事)。ごらんの通り,これから書く文章では,iPodをひいき目に見ている恐れが多分にある。その分,差し引いて読んでいただいた方がいいだろう。最初に種を明かせば,こうした思い入れを喚起するところにこそ,iPod人気の秘密があると考える。 iPodを購入したキッカケは,日経エレクトロニクスでiPodの開発物語の連載を始めたことだった(関連記事)。シリコンバレー支局のP記者がねばり強く交渉を続けた結果,ようやくApple社のOKが出た。記事の査読を担当することになった私は,試しに一台購入するこ
眠いです。いや,のっけからやる気のない発言,大変失礼いたしました。実は,ほとんど昨晩は眠っていないのです。なぜか? 昨日,購入したのです。任天堂の新型ゲーム機「Wii」。そして,やってしまいました。気がつくと,外は白んでいたのです。別に任天堂の宣伝マンではありませんが,面白いです。 私は,これまでほとんどゲーム機に興味を持っていませんでした。我が家には,小学校高学年を筆頭に3人子供がおりますので,一般の家庭並みにゲーム機がそろっています。「NINTENDO64」「ニンテンドーゲームキューブ」「ゲームボーイアドバンス」「ニンテンドーDS」が2台,そして最近これに「プレイステーション・ポータブル(PSP)」が加わりました(結構あるもんですね)。「プレイステーション(PS)」は,一時友人から借りたこともあったのですが,ほとんど使わないまま返しました。ちょっと前に,ニンテンドーDSではやりの「脳ト
ここ2週間ほど,日経エレクトロニクス編集部は大忙しです(まだ終わってないので現在形)。11月11日には日本でソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション3(PS3)」が,そして11月19日には米国で任天堂の「Wii」が発売されたからです。いずれも「次世代」を担う注目のゲーム機です。編集部としては,いち早く入手してその全貌を掴み,読者の皆さんにレポートしなければなりません。 いち早くレポートするには製品の入手の手はずを整えたり,分解に立ち会ってもらい,解析のお手伝いをお願いする技術者の皆さんに声を掛けたり,といった準備が必要です。製品入手後にすぐ分解して,内容を解析し,Tech-On!や本誌に掲載する記事を書かねばなりません。 先週のPS3に続き(Tech-On!関連記事1),Wiiも何とか入手に成功しました。今朝方,まずは分解過程をまとめた記事をTech-On!に
・・・実は,取材を進める中で,もう一つ,商慣習にまつわる恨みの声が耳に入ってきました。 「いや,日本の機器メーカーの商慣習だって,欧米メーカーに比べれば相当ヒドイですよ」。 その昔,金型メーカーの設計ノウハウが詰まった金型図面を日本の機器メーカーが海外に流出させていた事は,今や有名な話です。今では,経済産業省による指導の効果もあって「『図面データが欲しい』と要求する機器メーカーはいなくなった」(ある金型メーカー)といいます。 その代わりに増えたのが,三次元スキャン技術を活用したとみられるコピー品です。あるコネクタ・メーカーの技術者はこのように嘆きます。「日本の機器メーカーは,特注のコネクタを我々に開発させた後,海外メーカーにコピー品を作らせる。だから,日本の機器メーカーとの取引では利益が出ない。これが欧米メーカーなら,特注コネクタについては発注を継続してくれるので,利益が出せるのに・・・」
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