小学校卒業式で進行する「和装化」があらわしているもの 少子化と経済低迷、そしてコロナ禍が「せめて衣装だけは」に拍車か 西郷南海子 教育学者 女子は袴に編み上げブーツ、男子も紋付袴 今年も卒業式シーズンが終わった。全国各地の「まん延防止」が切れたタイミングであり、過去2年ほどの混乱は見られなかった。新型コロナウイルスが登場した2020年春は、卒業式の開催さえ危ぶまれていたことを思い出すと、わたしたちの生活もコロナとある程度「共存」するようになったのを感じる。 さて、今回は公立小学校の卒業式における「和装化」について取り上げてみたい。 シニア世代の方には信じられないことだと思うが、現在全国各地の小学校卒業式で、子どもたちの和装化が進んでいる。大学の卒業式ならともかく、小学校である。正確なデータは存在しないが、2010年ごろはアイドルグループAKBに似せた制服スタイルの衣装が流行っていたという動