NECが10日発表した2011年3月期連結決算は、最終損益が125億円の赤字(前期は114億円の黒字)に転落した。 2月時点では最終損益ゼロを見込んでいたが、東日本大震災の発生に伴い60億円の特別損失を計上し、赤字が膨らんだ。半導体子会社の損益悪化による持ち分法投資損失も、悪化の要因となった。 本業のもうけを示す営業利益は、赤字続きだった半導体子会社が連結対象から外れたため13.6%増の578億円と増加した。 一方、売上高は13.1%減の3兆1154億円。半導体子会社が連結対象から外れたことに加えて、IT(情報技術)投資の回復遅れや海外メーカーとの競争激化による携帯電話の販売減が響いた。 12年3月期は震災によるマイナスをスマートフォン(高機能携帯電話)の販売拡大などでカバーし、売上高3兆3000億円、営業利益900億円、経常利益550億円、最終利益150億円と、いずれも改善を予想している