長年の願いが成就することをまずは喜び合いたい。 あす、東北新幹線が全線開業する。鉄路は八戸駅から新青森駅へと延び、着工から40年目にして、ようやく東京―新青森間約675キロが直結する。 縦に貫く「大動脈」の完成は地域にとって特筆すべき出来事だ。東北の六つの県庁所在地すべてを新幹線が結ぶ高速大量輸送網も出来上がる。 しかし、これはゴールではない。展望を開くための新たな出発点である。 東北の域内で、そして域外とで、人の交流がより広く厚みを増して加速する。この社会資本がもたらす効果をどう受け止めて人口減・高齢化が進む地域の活性化に生かし、暮らしと経済の底上げを図っていくのか。 完成した「手段」を活用し「目的」に向かう知恵と取り組みが、青森で、東北で問われている。そんな認識を共有したい。 東京―新青森間は当初、最短3時間20分で結ばれ、現行より約40分縮まる。時間距離短縮効果の中で、青