すべての戸籍謄本が必要 「役所から送られてきた戸籍謄本を見て驚きました。ミミズがのた打ち回ったような崩し字で書かれており、ほとんど判読できなかったのです」 こう語るのは神奈川県在住の宮田信之さん(76歳・仮名)だ。3年前に妻を亡くしたが、最も大変だったのが「出生から死亡まですべての戸籍謄本」を集めることだったという。 「妻の銀行口座の名義変更をするだけでも、この戸籍謄本の束を要求されます。ところが、私は結婚前の妻の本籍地をすべて知っているわけではありませんでした。妻が元気なうちに聞き出しておけばよかった」 宮田さんは結婚前に妻が暮らしていた山梨県甲府市の役所から、郵送で戸籍謄本を取り寄せた。 さらに1週間後に届いた書類を元に、それ以前に妻の本籍があった兵庫県神戸市に戸籍謄本を請求した。そして届いたのが、冒頭の古い戸籍だった。 「'94年に現在の戸籍謄本の様式になる前は、改製原戸籍と呼ばれる
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