わたし自身の中の『ハマータウンの野郎ども』 1999/8/31. 『ハマータウンの野郎ども』 ウィリス ちくま学芸文庫 ポール・ウィリスの『ハマータウンの野郎ども』(ちくま学芸文庫)は、学校に反抗的な少年たち がいかに労働階級の仕事についてゆくか、なぜ自ら労働階級を再生産してしまうことになるか ということを考察した本である。かれらは労働を無意味なものと見なし、労働への奉仕を極小化 するために男らしいと見なされる手仕事についてゆくとされている。 「現代の庶民の労働はすべてくすんだ灰色をしており、とくにどの職種で働こうと思い悩む必要 はない、野郎どもはこころの奥底でそう見ぬいている。……労働それ自体に特別の意味や満足 感を追い求めようとやっきになって努力するのとは別の方向を、反学校の文化はさまざまなかた ちで少年たちに指し示すのだ」 「満足を得る前提としての労働にたいする