「相談したいことがある」と言ってくる人のほとんどは、「私は正しいよね」「間違っているのは向こうに決まってる」という具合に、己の意見や考えの正しさを後押ししてもらいたいだけである。だから、そういう誘いを受けたとき、僕は気持ちのスイッチを切って、生ビールを飲みながら「だよねー」と言うにとどめるようにしている。もちろん親しい友人に対しては、そのような対応はしない。友人たちは冷静かつ優秀な人たちなので、己の考えを客観的にとらえ、僕の意見、それが否定的なものであっても受け入れてくれるからだ。それ以外の、それほど親しくもない、どうでもいい方々たちは、こちらが本気で親身になって「それは違うんじゃないかな」「間違っているよ」「もしかしてバカなのか?」と指摘すると、なぜそんなふうにいうのだ、ヒトデナシ!と声を荒げるからたまらない。場が凍り付いてビールが不味くなるのは御免被るし、そもそも親しくもない人がご自身