今回は、「イビチャ・オシムの真実」について、およびそこから考えたことについて書きたいと思います。というのは、盟友のエルゲラさんをはじめ、各所(1) (2) (3)で「イビチャ・オシムの真実」の訳者あとがきに触れられていて、その箇所が気になっていた私も、やはり書いておかなくては、という気になったものです。(以下コラム文体) オシム思考のルーツがわかる本 まずはこの本について軽く触れておくと、オシム監督がシュトゥルム・グラーツの監督をしている時代に、ゲラルト・エンツィンガー、トム・ホーファーの二人のジャーナリストによりまとめられた自伝を翻訳したものだ。ヴァスティッチやプロシネツキをはじめ多数の証言もあるが、基本的にはオシム監督本人の談話が中心となっており、彼の半生、そしてサッカー的な考え方の「ルーツ」を知ることができる。 読んでいるとこれまで聞いたオシム監督の言葉を思い起こし、「ああ、あそこで