最初に阿佐ヶ谷駅前〈喫茶 ギオン〉の「ナポリタン」を食べたのは20年以上前。学生時代を過ごした関西を離れて上京し、阿佐ヶ谷の北側に住み始めて間もない頃だ。メニュー名はナポリタンなのだけれど、一般的に喫茶店で親しまれている、ケチャップの酸味がきいた昔ながらのナポリタンとは全くの別物。「どことなく富士宮やきそばに似ている……」と地元の名物を思い出したのが第一印象。ほどよく固く茹でた麺のところどころに焼き目がついて、もっちりと香ばしい。「焼きナポリタン」と表現しても差し支えがないほどにしっかりとした炒め具合で、麺の上にのった大きなハムもこんがりジューシー。私はこのナポリタンがとてつもなく好物で、なにか大きな仕事が一区切りすると、「今日はギオンでナポリタンを食べてよし」と自分を甘やかす。 焼きそばというものを、“焼いた麺”とより広義にとらえることで道楽を広げる私には、ギオンのナポリタンも焼きそばの
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