2月のある日、『New Neighbors』のレコーディング中だったスタジオにずっとお世話になっているライブ制作のスタッフの方がふらっと姿を見せた。レコーディングに来るなんてはじめてのことだった。4月からはじまるツアーのことでも話すのかな、と思いつつボーカルとコーラスを録音したばかりの「US/アス」を聴いてもらったりした。アルバム制作も終盤だった。「US/アス」は僕のなかで、この曲があればこのアルバムは大丈夫だろう、と思えるような曲だった。多分ずっと演奏するような曲になるだろうな、と思っていた。これはライブで映えそうな曲ですね、という感想から何気なく会話はフジロックの話になった。「strokesは絶対に観たいからもう今からチケット買おうかなと思うんですよね」と僕がいうと、スタッフの方が「今年はチケット買わなくていいですよ」と言った。不器用な伝え方が、なんともその人らしくて可愛かった。その場