新刊書店員から独立して古書店「BOOKS青いカバ」を開店して6年。「本」という商品を売る仕事の持続可能性を考える。 いまこそ店売の再評価を 本というのは不思議なもので、純粋なデータにはおそらく永遠にならないだろう。 「絶対に、なにがなんでも読みたい…!」という1冊ならば、それがどんなかたちであれ読めるということだけでありがたい。コピー用紙に印刷されているものでも、テキストデータでも、とにかく読めればかまわない。 しかし、人間は身勝手なもので、そこまでの情熱をもっていない本には、読めるということよりも、読んでいられる快楽を優先する。質感や読みごこち、電子ならば使い勝手を求める。場合によっては、どの電子書籍リーダーを使うかということにこだわりはじめるだろう。それは聞く読書でも同じで、読み上げている声の質感を選ぶというのは、ありえると思う。 つまりどのようなかたちであれ、「読めればいい」が満たさ