これまでこのブログも含めて、さまざまな場で日本のエネルギー政策に対して私見を述べ続けてきた。積み重ねてきた提言すべてを読んでいただければ、筆者が描いていた一筋の細い道をご理解いただけるかもしれないが、それも難しいであろう。そのためここで改めて、筆者がどのような視点でその時々のテーマを選定し、提言を行ってきたかについて、全体像を整理してお伝えしたいと思う。 筆者のエネルギー政策への思考回路の原点にあるのは、エネルギー安定供給の重要性である。筆者が通商産業省に入省したのが1981年。第二次オイルショックの余波冷めやらぬ頃であり、国の隅々まで必要十分なエネルギーを供給することは、政府が果たさなければならない重要な国民に対する責務であることを叩き込まれたのである。当時は石油依存度を低減させるため「脱石油・脱中東」がキーワードとされ、LNG火力や原子力などが積極的に推進されていた。再生可能エネルギー