※ 本稿には『流血女神伝 ~帝国の娘~』の内容について触れている箇所がございます。同作を未読の方はご注意ください。 須賀しのぶの伝説的な少女大河小説『流血女神伝』のコミカライズが、令和の今、始動する――。シリーズの完結から15年近く経た今年春、突如発表された予想外の報がにわかに注目を集めた。 コミカライズの作画を担当するのは窪中章乃。小学館が運営する漫画アプリ「サンデーうぇぶり」と、雑誌「月刊サンデーGX」で『流血女神伝 ~帝国の娘~』がスタートし、連載は現在も進行中だ。10月には、須賀による書き下ろしショートストーリー「幸せな皇子」が収録された第1巻も発売となった。 まさに理想的なコミカライズ 集英社のコバルト文庫からデビューした須賀しのぶは、のちに一般文芸に軸足を移し、『革命前夜』で第18回大藪春彦賞、『芙蓉千里』で第12回センス・オブ・ジェンダー賞大賞を受賞し、『また、桜の国で』で第