新人賞W受賞の大型新人が放つ救済の物語はいかに生まれたのか? ――『わたしはあなたの涙になりたい』四季大雅インタビュー いま一冊のライトノベルがジャンルの枠を超えて話題を呼んでいる。二〇二二年七月の刊行以来、規格外のデビュー作として絶賛の声を集め、ライトノベルでは珍しい単巻完結の作品でありながら、『このライトノベルがすごい! 2023』で並みいる人気シリーズを押しのけて〈文庫部門3位〉〈総合新作部門1位〉を獲得。本作は、巨大な欠落を抱えた少年が歩む〝再生への旅路〟を情感豊かな筆致で描いた感動作であると同時に、「物語」という形式自体を小説の内側から真摯しんしに問い直す問題作でもある。 体が徐々に塩に変わってゆき、最終的には死に至る「塩化病」の母親を持つ小学三年生の三枝八雲さえぐさやくもは、音楽室から漏れ聞こえるピアノの音に誘われるように五十嵐揺月いがらしゆづきという少女と出会う。やがて母を喪
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