R1グランプリを見た。ちなみに私は二回戦負けだ。だから説得力は著しく欠けるものと思って読み進められたし。ただし面白さは保証する。 M1は四分以内でいかに多くの笑を取るかのタイムトライアル。漫才を“圧縮”し、内部を活性化させ、ある種理系的に発展した競技である。漫才、否、お笑いが競技化したメモリアルイベントであり、バラエティー人材発掘の鉱脈としても機能する見本市。「笑芸」という商いが、テレビを中心に回る産業構造となった今、最も権威のある商品開発の場なのである。 では、R1はどうか。 「マイクの前、一人で、面白ければなんでもいい」 M1に比べると、“レギュレーション”が大雑把である。だってそうだろう、カテゴリーが「一人」というだけだ。「一人」はジャンルじゃないだろう。M1に対する対立軸でいくなら例えば「漫談1」が相応しい。 R1は、水泳の「自由形」のようなものである。しかも、