日本の識字率は極めて高い-。戦後まもなく昭和23年に行われた全国的な調査の結果などから、日本ではそんな認識が一般的だ。だが、その後70年以上にわたって国内では識字に関する本格的な調査は行われておらず、在留外国人や不登校の増加など、社会は大きく変化した。現代の実態を把握しようと、国立国語研究所のチームは今夏、前回調査をもとにしたテストを岡山市で実施した。チームは今後、より大規模な調査の実施を目指す。 「どんな言葉を読んだり書いたりできるかをみる調査です。易しい問題から難しい問題まであります」。7月下旬、岡山市北区の「岡山自主夜間中学校」を訪れた国立国語研究所の野山広准教授は、調査の意義を説明した。 同校には、義務教育段階の学び直しを希望する人や外国人らが通っており、ボランティアの元教員や学生らがマンツーマンで勉強を教える。この日は、生徒(16歳以上)とスタッフ計43人が約1時間の筆記テストに