大学の教員は教育に比較的多くの時間を割くようになっており、改善のための様々な工夫も進んできている。にもかかわらず、国民、企業そして学生自身の学士課程教育に対する評価は総じて低い状況にある。これには種々の要因が関係しているが、特に、高校までの受け身の勉強とは質的に異なる主体的な学びのための学修時間が今日においても少ないという大きな問題がある。 高等教育の課題が学生数等の「量」から教育の「質」へと転換しているユニバーサル段階において、また、我が国が激しさを増す社会変化に直面する中で、今まさにこの状況を踏まえた学士課程教育の質的転換への早急かつ効果的な取組が求められている。 ○ 学士課程教育については、累次の中央教育審議会や大学審議会答申を踏まえ種々の改善が行われてきた。平成3年の大学設置基準の改正以降は、大学は学士課程教育を自らの理念に基づき組織的に提供し、それを常に改善することが求められ、そ