(サイトリニューアル時に消えてしまったのでアーカイブを発掘しました) その日は、巨匠マンガ家I先生の事務所で打ち合わせだった。 I先生といえば、1億冊売れたバスケマンガのI先生である。 常に打ち合わせでも緊張が走る。最高の仕事をしてあげたいと思っている。 なのに、完全に寝坊した。 したがって、起きて5分で家を出た。 まずここがいけなかった。 ぼくは、起きてすぐに腹を冷やすと、だいたいおなかがくだるのだ。 I先生の事務所は、世田谷方面。ぼくの家は、東雲である。 間に合うか間に合わないかは、渋谷駅でのスムーズな乗り換えにかかっていた。 ところが、表参道駅で、急速に来た。やつが来た。 強烈な腹痛である。 しかも、まちがいなくこれは、うんこに起因する腹痛だ。 渋谷駅につくころには、ぼくはもうラマーズ法で息をしていた。 ひーひーふー、である。 もしくは、虫の息と言ってもよかった。 腹痛というものは、