美術はわざわざ学ぶものではない 中ザワヒデキさん(左)と青山ブックスクールの中村翔子さん(右) ーー 中ザワさんが「美術家」になられるまでの経緯をお伺いしたいのですが。 中ザワ 僕は親が医者だったので、学生時代には、将来、大学では、「医学部」に進学するような雰囲気が家庭内ではあったんです。僕自身は「美術」がものすごい好きで。 それでいざ受験となった時に、家族の期待に応えて医学部か、もしくは反発して美術大学かを、ものすごく悩んだ上で、結局その時は医学部に進んだんです。 いくつか理由があるんですけど、そのひとつとして、 「美術はわざわざ学ぶものではない。」 という考え方が自分の中にあったんですよね。 だから、今回、青山ブックスクールで僕が美術史を語るなんていうのは、美術を「教える」ことだとすると、大変矛盾していることであって(笑) 僕の高校生くらいのころからの考え方に反するという。 ーー