日本政府の負債ゆえ「国家破産」を唱えるさまざまな妄説のたぐいをわかりやすく論駁していて一気に読める。日本がアルゼンチンやギリシャのように「財政破たん」するという論者には、アルゼンチンとギリシャの経済体制の違いから詳細に語りおこし、その認識の間違いを指摘しているところは特に必読だろう。 また「人口減少している国はデフレ」という最近流行のトンデモ経済学にも本書は(まだいい足りないところは最近の上念さんのTwitterがフォローしている)批判していてすっきりした見通しを与えてくれる。 そもそも国のバランスシートをみたときに、なぜ負債側だけが誇張されるのか、そのおかしな宣伝(財務省発だがいっこうにあらためる気配はない)を徹底的に暴き、日本の財政をバランスシート的観点から客観的にみていることもわかりやすいだろう。 また日本の財政の維持可能性を高めるには、まずは現状のデフレを克服することが重要であり、