――20年以上断続的に続いたドラマ「北の国から」(1981〜2002年)や高倉健主演の映画「駅 STATION」(1981年)など、倉本作品は徹底したキャラクター造形から入ると聞きますが、そのこだわりはどこから来ているのですか。 僕の書き方は、まずだいたいどんな話をつくるかという、例えば、テーマとなる問題が一つ先にあって、その次に入るのはやっぱり登場人物の配置と、その人物たちの造形ですね。登場人物の背景にある過去を「大履歴」「中履歴」「近履歴」の三つに分けて、つくりこんでいくということを習慣にしています。そうでないと、“根っこのない木”になってしまう。 かつて映画プロデューサーのマキノ光雄さんが、「この映画は『ドラマ』があっても『チック』がない」と言いました。ドラマチックという言葉を分解したんですね。僕は、テレビドラマこそ「チック」が重要だと思っているんですよ。要するに映画はドラマ、つまり