東京都練馬区の自宅で44歳の長男を刺殺したとして殺人罪に問われた元農林水産事務次官熊沢英昭被告(76)側は25日、懲役6年とした一審の裁判員裁判判決を不服として控訴した。被告は保釈されている。 16日の東京地裁判決は、長男と同居を再開した翌日に暴行を受け、恐怖感から殺害を考えるようになったと指摘。被告は長年長男と安定した関係を築く努力をしたと認めたが、「執行猶予を付ける事案ではない」と判断した。 弁護側は、発達障害があった長男を献身的に支えてきたことや事件の背景に長男の家庭内暴力があったことなどから、執行猶予を求めていた。(共同)