小学校の同級生のお通夜に参加したのは、それが最初で最後。 その後、現在まで、一度もありません。 それで、とても忘れられない出来事になっています。 少し前の、自分の祖父の葬儀の時とは、まったく違いました。 祖父の時は、いつかくるものという心の準備が出来ました。 同級生の死は、突然訪れたものでした。 なので、どう受け止めたらいいのかまるでわからない状態で、ただ流されているだけのような気がしていました。 【沙河】昭和五一年~昭和五二年 (十六)④ 沢井さんの家で行われた通夜に行った。父が連れて行ってくれた。 子供会の代表だからとのことだった。私は、私の住む地区の小学生のうちで、最年長だったからだ。 父は、近所の大人たちと一緒に静かな声で話をしていた。 私は前から三列目の一番右端に座っていた。私以外に、子供はいなかった。沢井さんのお兄さんやお姉さんがいるはずなのに、見当たらなかった。 花や灯篭が飾