姫路城、彦根城、犬山城、松江城とともに国宝に指定されている松本城は、天守の築造年代は文禄2~3(1593~4)年と考えられ、現存する五重六階の天守としては日本最古の城です。 松本城は、戦国時代の永正年間に造られた深志城が始まりです。世が戦乱に向かうと、信濃の守護・小笠原氏は信濃府中と言われた井川にあった館を東山麓の林(今の里山辺)に移します。その家臣らは林城を囲むように支城を構え、守りを固めました。深志城も林城の前面を守るために造られたのです。その後、甲斐の武田信玄が小笠原長時を追い、松本平を治める拠点として深志城を選んで信濃支配を目指しますが、天正10(1582)年に小笠原貞慶が、本能寺の変による動乱の虚に乗じて深志城を回復し、名を松本城と改めました。 天正18(1590)年、豊臣秀吉が天下を統一すると、徳川家康を関東に移封しました。このとき松本城主・小笠原秀政が家康に従い下総へ移ると、