第1回「日本でのオープン出版の実践①」 こんにちは、ドミニク・チェンといいます。 現在、私は出版業界の仕事に特に従事していませんが、1人の書き手としてはかれこれ10年以上、色々な商業誌に様々な文章を寄稿してきて、単著としては「PDFダウンロード特典付」書籍の執筆とそのダウンロードシステムの構築、日本で電子書籍を扱うほとんどの主要サービスで販売されているマイクロ電子書籍の執筆、そして一番最近では紙版とKindle版を発売している書籍を執筆してきました。これまで関わってきた共著本や編著本では紙のみの場合だけでしたが、単著本では何かしらか電子媒体が関わっています。 今回の連載にあたって、以前に「胡蝶の夢 : 生態映像メディアを巡る創造性」という論文の中で書いた、〈コミュニケーションメディアの電子化の果てには、表現の生成と摂取が限りなく連続化する〉という主張を思い出し、電子書籍時代に生きる1人の著