ブックマーク / note.com/wonosatoru (3)

  • 音楽と呼吸|ヲノサトル

    音楽は呼吸だ。まず息を吸わないと音は吐き出せない。 だけど、教えている美大のゼミで、未経験の演奏希望者を集めてとりあえずセッションしてみると、みんな息を吸わないまま突然に音を出そうとするのだ。 っていうか、周りがまだザワザワしてガタガタ動いたりしてるのにブーとかボーンとか演奏を始めていたりする。 なので、まずは場がシーンとなるまで待って、「よろしければ」と間を置いて、息を吸って、それから最初の音を出す……という所作を大切にしている。 その後に発せられる音そのものよりも、その所作や呼吸こそが、日常の時間をいったん区切って「音楽」を出現させる魔法だと思っているからだ。 たとえば、音を鳴らさないことで知られるジョン・ケージの『4分33秒』が、なぜ「音楽」と言われるのか。それは、この「曲」には開始と終了という「フレーム」があるからだ(ご丁寧に楽章の区切りまで指定して)。 時間の中にフレームさえ区切

    音楽と呼吸|ヲノサトル
    kinushu
    kinushu 2021/08/16
  • 恐縮ですが、育児中。 《3》 週末|ヲノサトル

    その昔『日曜日が待ち遠しい』なんてフランス映画がありましたが、とんでもない。育児者にとっての週末は、待ち遠しいどころか憂の極致です。 なぜなら、平日は保育園に預けている子どもと朝から晩までガチでつきあわなければならない2日間、それが週末。 毎週末ごとに「今日はどこ行くの?」「何して遊ぶの?」とワクワクテカテカした子どもの目。少なくとも我が家の場合「どこにも出かけず、家でまったり」なんて選択肢は存在しません。 家に閉じこもっていたら、絶叫しながら跳ね回り、父親のボディに執拗なまでのパンチやローキック攻撃を続け、所有する全てのオモチャを部屋中にばらまき、家中が混沌という名の戦場と化すに決まっています。 この活火山のようなエネルギー、発電か何かに有効利用できないものかと真剣に考えざるをえません。 まして、これが祭日を月曜に振り替えた3連休ともなると、息子の相手をしつつも「何かの罰ゲームか、これ

    恐縮ですが、育児中。 《3》 週末|ヲノサトル
    kinushu
    kinushu 2020/03/08
  • 恐縮ですが、育児中。 《1》|ヲノサトル

    毎日ドタバタしながら父子2人の生活を送っていた10年前。アートユニット「明和電機」のファンクラブ会報「明和電機ジャーナル」から、そんな日常についてのコラム連載を依頼され、2ヶ月に一度ポンチ絵つきの原稿を書いていました。これからしばらく、毎週日曜日ごとに1ずつ再掲してみます。 今や男性も、ふつうに育休をとる時代。男の育児を特別視する「イクメン」なんて言葉も、もはや死語になりつつありますよね。そんな今の目から見て、10年前のシングルファザー生活は古く感じられるか。現代にも通じるものがあるのか。お気楽に、ご笑覧いただければ幸いです。 子連れ生活ってのは、毎日が恐縮の連続です。 小さいお子さんをお持ちの方なら、おわかりですよね。電車に乗るにしてもショップに行くにしてもレストランに入るにしても、常に心の底にあるのは「子どもが騒ぎやしないか」「まわりに迷惑かけやしないか」という不安。 もちろん、その

    恐縮ですが、育児中。 《1》|ヲノサトル
    kinushu
    kinushu 2020/02/23
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