ひとりの人間が情熱を込めて集めたコレクションは、美しさや資料価値を超えて感情に訴えかけてくるものがある。そんなコレクションとの出会いが最近あった。普段は行かない図書館へ資料を探しに行ったら、入り口に8つのショーケースに収められた美しい貝殻の標本があったのだ。 ただひっそりと置かれていたのだけど、よく見てみるとすごく丁寧に作られた標本だった。色鮮やかで美しく、ユニークな貝殻の色や造形に私はすっかり魅了された。標本の製作者・古川美年生(みねお)さんはどんな方なのだろう? 司書の方に話を聞いてみると、古川さんの著書『荒海に生きる貝のふしぎ』を持ってくると同時に、すでに故人であることを教えてくれた。今年95歳で亡くなったそうだ。 「もっと早く気がつけば……」と思った。ライターとしてあちこち取材しているとそんなことの連続だ。それでも家に帰って調べてみると、鹿児島県伊佐市にある菱刈ふるさといきがいセン
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