「バグを排除しようと圧力をかけると、バグが報告されないプロジェクトになる」 この寸言は、よく忘れられる。シックス・シグマや日経ナントカに染まった管理者が、バグを目の敵にし、バグゼロの号令をかける。不具合が表面化すると、たまたまそこに詳しいだけの担当を犯人扱いし、なぜなぜ分析を強要し、ccメールや全体会議で晒し者にする。 なぜなぜ分析とは、「なぜそれが起きたのか?」「その原因の原因は?」と、原因を幾重にも掘り下げる手法のこと。5段階も遡及すると、たいてい「私の不注意でした」となり、対策は「意識を入れ替える」という小学校の学級目標になる。反面、もっと深刻な「仕様変更が電話口で伝えられていた」とか「アジャイルの名のもとにテストが省略されていた」などは放置される(なぜなら、「人」を原因にしたいから)。 こんな冗談みたいな施策を続けていくと、スケープゴートになった人はどんどん心をすり減らし、不具合の