トップ > 特集・連載 > 結いの心 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事 【結いの心】 鉄くずまで削られる トヨタの足元<8> 2008年5月18日 町工場で金物を削るトヨタの下請け会社の社長。軍手も中の手も油にまみれていた=名古屋市内で あこがれの大人たちがいた。 名古屋でトヨタ系の町工場を営む40代の社長にとっては、たとえば元中日ドラゴンズの星野仙一投手(現五輪代表監督)。1974(昭和49)年、セ・リーグ優勝を決めたマウンドの勇姿は今も目に焼きついている。 工場の先代だった「おやじ」が、たまにキャッチボールしてくれるのが「うれしかったなぁ」。大黒柱のおやじが“ヒーロー”だったし「あの人たち」もそうだった。 トラックに乗り、おやじとよく行った上位メーカーの工場。「職人さんたちが中から出てきて『元気か』『よく来たな』って声をかけてくれるんですよ」と懐かしむ。頭をな