モノ消費よりコト消費。呪文のように、そう言われた時期があった。その切札が「イベント」だった。並べているだけではモノが売れなくなり、イベントなどの体験を売ることでお得意さんやコミュニティを作ることの重要性を説く主張である。 当時、私もそれに大いに共鳴し、50件以上のイベントを企画してきた。ただ、私自身そうだが全体的な勢いは、弱くなってきた印象がある。その真っ只中で汗を流してきた私には、その理由がハッキリとわかる。 イベントの準備には手間がかかる。単体でのコストパフォーマンスは決して高くない。私は幸運なほうだったのだが、満員札止めの大盛況イベントを実施しても会社に戻って褒められる人は少ないのだ。それが、イベント企画の仕事の現状なのである。 これまでのモノサシが使われている限り、イベントの仕事は傍流であり続ける。コト消費という新しい旗を掲げる人がどんなに多くても、それが傍流である限り、後に続く人