夜の11:30ごろ、 「ガン、ガン、ガン」って大きな音がした。 とにかく大きな音がした。 そんな時でも、かみさんはいびきをかいて寝ていた。 一人娘と相談し、怖くて下の階に行くのをやめた。 次の日、ゴミ出しのついでに、下の階を見てみると、 出窓が割られていた。 アスファルトには、 鉄パイプみたいなものが転がっていた。 どうやら下の階の人は留守のようだった。 おれはすぐにゴミを出して、2階のうちに戻った。 警察に電話しなきゃ、と思い、110番した。 「事件ですか?事故ですか?」 「いや、下の階の窓ガラスが割られていて...」 「あなたは、何号室ですか?」 「お名前は?」 とだけ聞かれた。 「あのー、住所とか、電話番号とかは...」 「GPSでキャッチしましたので、大丈夫です」 「すぐ向かいます」 おれのケータイは、何年も使っていて、 電池の減りがすごくはやいので、 位置情報をOFFにしている。