バイオマスエネルギーは、世界の最終エネルギー消費量の内の1割以上を占め、再生可能エネルギーの中でもおよそ半分のシェアを持つ点で量的に重要なエネルギー源である。将来的な再生可能エネルギー社会においても、重要なポジションを占めることは間違いない。 ところが以下に述べるユニークな特徴を持っている点で「バイオマスは本当に『グリーン』か?」という疑念がつきまとい、適切な利用のためには熟慮が必要である。そして、日本においても、本格的な再生可能エネルギー時代を迎えるに当たり、この問題から目を背けることができなくなってきている。 バイオマスの特徴の一つ目は、「電気」ばかりが注目される中で、「熱」利用をメインとするエネルギーであることである。二つ目は、樹木等の植物を燃焼させてエネルギーを得るので、やり方によっては持続可能ではなくなってしまうという点である。また、三点目は燃料の生産者・販売者が存在し、地域への