――「Area X」のコンセプトをお聞かせください。 水口哲也氏(以後水口):いろいろなコンセプトがありますが、基本的に変わらないのは「シナスタジア(共感覚)」をより拡張することですね。今の技術でできる最高のことをやる、と。『Rez』の世界では無数のパーティクル(粒子)が世界を構成してて、それを撃つと音と反応しながら拡散するという、3Dでパーティクルが混ざっていく誰も見たことがない量子的な世界を前からやってみたかったんです。インタラクティブにパーティクルが拡散して音と融合していくみたいな、そこに「シナスタジア」の一つの新境地を見ていました。 『Rez』は自分の記憶が存在している電脳空間で、プレイヤーがハッカーとなってウィルスを駆逐して元の美しい世界に戻していくという物語があります。ビジュアル的にはそのような物語がベースになっていますが、VRで経験したときに最高の体験になることを意識していま