彼女はヘビの尾っぽをマッチ箱に隠し持っていた。彼女は一面の荒野に臨む屋根に腰掛け、ぴんと背筋を伸ばしていた。そして時折、少女みたいな笑い顔をみせた。 すベてを理解しているかのようなインテリジェンスを持ち合わせて飄々と世間を歩き、芸術界に名を刻んだ女流画家ジョージア・オキーフ。名声をうけるもいつまでも自由な人で、生涯を終える最後は荒野の真ん中で一人過ごした。その第二の人生の3日間を彼女と過ごした写真家の遠い記憶から、世間から離れたオキーフの女性像を探る。 砂漠の真ん中に生きた、モダニズムの母 ジョージア・オキーフ(Georgia O’Keeffe、1887-1986年)、20世紀の芸術界に名を刻む現代女流画家にして、“自由人”。若い時代はアートシーンをわたり歩き、37歳で20も歳の離れた名声高い写真家と結婚、しかし彼の死後は、喧騒にまみれたニューヨークをふっと去り、ニューメキシコの砂漠と“再
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