まるまる太ったキタキツネが集まり、雪面にはエゾシカの骨――。撮影した北海道・旭川市の動物写真家神田博さん(65)によると、同市近郊では、狩猟や駆除で撃たれて野山に放置されたエゾシカの肉を求めてキタキツネが集まる光景がよく見られるという。「キタキツネにとってエゾシカは大変なごちそうだが、この太りかたは尋常ではない。生態系が攪乱(かくらん)されなければよいが」と心配する。 撃ったエゾシカは持ち帰るなどして適正に処理するのが原則だが、道によると、食用の肉だけを切り取って残りを野山に放置するケースが見られるため、適正な処理を呼びかけているという。神田さんは「増え過ぎたエゾシカを撃つのはいいが、マナーは守って欲しい」と訴えている。(深沢博)