キャンプが100%安全という事は あり得ない。 いつ何時、我が身が天災や獣の攻撃にさらされるか分からない。 その理屈で言えば日常生活を送っていても天災の危険性は孕んでいるが、自宅やホテルに滞在していて獣の襲撃を受ける事はまずない訳で、キャンプでの危険性で一番気になるのは動物の存在だ。 私は初めてまともなキャンプを経験したのがアラスカだったので、毎日ヒグマやグリズリー、ムース(ヘラジカ)の存在に怯えながら生活していた。 彼らにとって我々は原野に見ぬ闖入者で、胃袋の具合によっては食欲を満たすための餌でしかない。 まさに”野生を旅する事”がアラスカ旅であり、当たり前の様に周囲に熊がいる環境でのキャンプは異常なまでの緊張感をもたらす。 細心の注意を払うべきはフードコントロールで、食べ物は勿論、歯磨き粉やコスメ、トイレットペーパーの様な匂いを発するものもテント内に置いてはならない。 缶詰でさえ嗅ぎ付