多様体の定義で重要な点は、多様体の上にいかにして座標系を貼り付けるか?ということと、どのような座標系を用いたとしても計算に違いが現れないようにすることである。多様体は計算したいときに座標を導入でき、しかもどのような座標系で計算したとしても違いがない、すなわち座標系に依存しないという非常に扱いやすい性質が追求された図形である。 ここでいう計算とは関数やベクトル、それらの微分、積分などのユークリッド空間の上で普通に行われているような座標を用いた計算のことである。 同相写像 φ とその逆写像 φ−1 で対応付けられた(座標の無い)集合 U と(座標のある)集合 U ' M を位相空間とする。M の開集合 U に対して、m 次元ユークリッド空間の開集合 U ' への 同相写像 を局所座標系 (local coordinate system) あるいは(局所)チャート (chart) という。 a