この記事や前記事で、アスペルガー症候群を軸とし、統合失調症と(男性性と比較した場合の)女性性各々について、その自意識の弱さとでも呼べるような類似点と、各々の差異を同時に示した。 類似点は、共に、間主観的自己感や象徴的ファルスの比喩作用の不安定さである。木村敏氏の論を用いるならば、象徴的ファルスの生の欲動方向の比喩作用、即ち「せき立て」が弱いため、ノエマ的自己が安定しない、アンテ・フェストゥム人間である、と総括することが理屈的に可能になる。 一方、スキゾイドについては、その差異を微妙な言い方でしか示すことができなかった。引用する。 ===== アスペルガー症候群は内因性の障害である、という立場をわたしは取っている。内因とは器質因と心因の境界をグラデーション化させるための曖昧領域みたいなもので、そうであることを考えれば、スキゾイドは、内因性かもしれないが、心因性あるいは環境因性「寄り」の障害と