日中関係が行き詰まりを打開できない中、米国と中国は着実に対話を重ねている。北朝鮮の挑発という、米中が共同で対処すべき課題が両者を結び付けているが、米中には共通する利害も相反する利害も共に存在する。 オバマ政権の外交・安保面でのアジア回帰(リバランス)、中国排除の自由貿易枠組みとしてのTPPの推進などが中国にとっての懸念事項であることは間違いないにせよ、だからといって米国が中国との抗争を求めているわけではない。台頭する中国との協調は東アジア国際環境の安定に不可欠だからである。 中国も2012年2月に訪米した習近平副主席(当時)のスピーチで、「中米両国は共同利益と互恵協力を拡大し、両国の協力関係を21世紀の新型大国関係に作り上げる」と発言して以来、米中の「新型大国関係」を外交戦略のキーワードとしてきた。 カリフォルニアの保養地で米中首脳会談を開催 4月13日のケリー国務長官の訪中を皮切りに米中