岸田政権は「異次元の少子化対策」を掲げ、4月1日にはこども家庭庁も発足した。現在、いくつかの支援策が検討されているが、結婚や出産を前にした若者に重くのしかかるのが奨学金の返済だ。いまや2人に1人の大学生が奨学金を借りており、その返済に苦しんでいる。奨学金の存在が少子化問題にどんな影響を与えているのか。当事者たちを取材した。(文・写真:ジャーナリスト・小川匡則/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 奨学金が1000万円目前に…研究者の夢諦める「子どもを産む時間的なリミットが近づいていると感じています。ただ、そこにたどり着くまでには大きなハードルが複数立っていて、なかなか到達できる気がしません」 京都市に住むあゆみさんはそう語る。あゆみさんは38歳。まだ独身だが結婚願望があり、機会があれば子どもを産み育てることも希望している。一方で、それが困難であるという現実に直面している。 あゆみ