『鹿政談』(しかせいだん)は古典落語の演目の一つ。元々は講釈種の上方落語の演目で、明治の初期に柳家禽語楼が東京に移植した。令和初頭以降、6代目神田伯山によって講談への逆輸入が試みられている[1]。 主な演者として、東京の6代目三遊亭圓生や6代目春風亭柳橋、上方の3代目桂米朝などがいる。 あらすじ[編集] 鹿はかつてより奈良の名物であったが、かつては鹿が『神獣』とされていた事もあって、現在からみると想像を絶するほどの手厚い保護が行われていた。ちょっと叩いただけでも罰金、もし間違って殺そうものなら、男なら死罪、女子供なら石子詰めという、当時の最高刑が待っていたという時代背景のもとに創作された物語である。 奈良三条横町というところに、豆腐屋渡世を営む老夫婦が住んでいた。主である与兵衛が朝早くから起きだして表に出てみると、大きな赤犬が「キラズ」(卯の花の事)の桶に首を突っ込み食べていた。与兵衛が追