世の中には、頭の良い人がたくさんいて、大変な読書家で物凄い量の知識を持っていたり、勉強家で色々な資格を取得していたり、あるいは物事の要点をさっと理解して整理してしまえる人などもいます。このような人の中には当意即妙なやり取りなどが上手い人も多く、私などはこういった人をみるとつい羨ましく思ってしまいます。いわゆる頭の回転が早いなどと言われるような人々のことです。 思考を「発酵」させる。または「煮込む」力 一方で、世の中にはまた別の種類の頭の良さもあって、京都大学教授の佐伯啓思さんは『学問の力』という本の中で、その別の種類の頭の良さについてこのように説明しています。 もうひとつは、そういう意味ではものすごく鈍くて、勘も悪く、いわゆる鈍重という感じなのですが、「頭がよい」といえる人がいる。たとえばアインシュタインは一般的な意味では能力が低く、瞬発的な切れ味とか勘のよさとかいう意味では鈍才だったとい