テレビのバラエティー番組で、いわゆる「インターネット中毒」が取り上げられた。四六時中ネットを利用していると「脳が退化」し、果ては「妄想や幻覚を見る」とまで話が発展したが、本当だろうか。 実際にインターネット依存症を扱う病院が国内にはある。しかし治療を始めたのは最近で症例の蓄積が少なく、具体的な解明はこれからだ。 精神疾患かどうか結論は出ていない 「ネット中毒」に焦点を当てたのは、2012年11月7日放送の「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)に出演した教育評論家の尾木直樹氏だ。「コンピューターを使い過ぎると脳が退化する」と口火を切ると、情報を容易に探し出せるネットに頼り過ぎれば、自分の脳で考えなくなると述べた。 これに脳科学者の澤口俊之氏が続いた。ネットの使い過ぎが原因による「Internet Addiction Disorder」(IAD=インターネット依存症)では、重度の症状になると