新幹線の車両自体が巨大トレーラーと化し、一般道を走行していく(筆者撮影)工場で組み立てられた新幹線車両が、どのように鉄道会社の車庫へと運び込まれるか。巨大なトレーラーに載せられ、深夜の一般道を走行する姿をテレビで見たことがある人も多いだろう。本稿では愛知県豊川市にある日本車輌製造豊川製作所で製造された新幹線N700系が、約46キロメートル離れたJR東海浜松工場までどのように運ばれるのかを説明してみたい。 その作業は午前中に豊川製作所にて、完成した新幹線の車両をクレーンで吊り上げ、道路を走るためのタイヤ部分に接続することから始まる。先冒頭で「巨大なトレーラーに載せられ」と書いたが、厳密に言うと違う。陸を輸送するにはあまりに大きすぎるため、車輪部分の代わりにゴムのタイヤを付けた台車に乗せ、それをエンジン付きの牽引車が引っ張る。つまり、新幹線の車両自体が巨大トレーラーと化すわけだ。積み込みをする