日本原子力研究開発機構(JAEA)は2月7日、「イオン伝導体」を分離膜として用い、分離過程で電気などの外部エネルギーを消費せず逆に電気を発生しながら、核融合炉燃料製造やリチウムイオン電池などの原料となるリチウムを分離する革新的ともいえる元素分離技術を開発し、海水から回収することに成功したと発表した。 成果は、JAEA 核融合研究開発部門 増殖機能材料開発グループの星野毅研究副主幹らの研究チームによるもの。研究は内閣府の「最先端・次世代研究開発支援プログラム」によるものだ。 大型リチウムイオン電池は、製造業大国である日本の最先端技術分野であり、今後も新興国の化石燃料消費量は増加傾向が続くことから、世界的に低炭素化社会実現へ向け、リチウムイオン電池のニーズは高い状況だ。また、国際協力にて開発中の新たな発電炉である核融合炉においても、炉の中心部で発生するプラズマの周りを覆うブランケットという場所