再稼働に揺れる大飯原発から約80km、兵庫県丹波市春日町・山王地区。人口はたった42人、平均年齢が60才を超える典型的な過疎地域だが、住民組織の自治会が、太陽光発電に取り組み、実現させた。これは全国で初のケースだという。 都市部に比べて農村部の山王地区は、1人当たりの自治会費の負担が重い。公民館や農業用倉庫などを維持管理する必要があり、山王自治会では、1世帯当たり、月額5000円を徴収してきた。「年間で1世帯6万円、ときには臨時の徴収もあって、8万円ぐらいになるときもあり、年金暮らしの年寄りが多いこの地区では、この自治会費が家計を苦しめてきたんです」(山王地区の自治会長・細田泰宏さん) 何とかこれを軽減できる打開策はないものだろうかと考えた。「過疎地区だけに、広大な空き地はいくらでもある。よし、太陽光でこの村を再生させよう。自治会費ぐらいはまかなえる発電装置をつくろうと、気持ちだけは、それ