#2 #3 2021年初頭に起きた半導体不足がきっかけとなって、世界中で狂気的な半導体製造能力構築競争が起きている。そして、その不毛な競争に、日本も巻き込まれている。というより、自ら無謀な競争に突き進んでいる。 日本が進めようとしている半導体政策とその問題点を指摘する。一言でいえば、またしても、日本の半導体産業は失敗を繰り返すことになるだろう。 衆議院での意見陳述 2021年6月1日午前9時、筆者は、衆議院の分館4階第18委員室の参考人席に着席していた。衆議院の「科学技術・イノベーション推進特別委員会」から、半導体の専門家として参考人招致を受け、「日本半導体産業の過去を振り返り、分析、反省し、その上で将来どうしたらいいか?」について、意見陳述を行うよう要請されたからだ。 筆者は20分強の意見陳述で、主として次の3点を論じた。 ①日本のDRAM産業は、安く大量生産する韓国の破壊的