イスラエルで今、囚人たちに強制的に食べ物を摂らせる法案が審議されている。狙いはハンガーストライキを阻止することだ。 一見、人命を救う行為ともいえそうだが、パレスチナ囚人協会のカドゥラ・ファレスは猛反発。イスラエルは囚人たちに残された最後の非暴力的抗議手段を奪うつもりだと、ワシントン・ポスト紙に語った。医師たちも、非人道的で倫理に反するとして、法が執行されても従わないと声を上げている。 法案が成立すれば、こうなる──。 囚人が死に瀕していたり、自らの体に致命的なダメージを及ぼしていると判断された場合、医師が囚人に強制的に食べさせる。過去の例だと、鼻に入れたチューブで食物を流し込むのが一般的だ。 行政拘束vs.ハンストによる釈放 今年4月には、パレスチナ人の囚人300人近くが参加する大規模なハンストが始まった。イスラエル政府の「行政拘束」に抗議するためだ。行政拘束とは、裁判も起訴状も、ときには