朝鮮半島近海にまもなく到着する米空母打撃群の原子力空母「カール・ビンソン」は、米国海軍が10隻を保有する空母「ニミッツ級」の3番艦。全長は333メートル、排水量約9万トンで、いずれも戦艦大和(263m、約7万トン)を凌ぐ。全長は東京タワーの高さと同じだ。この巨艦には、一国の軍事力に匹敵する戦闘能力があるとされる。緊張度が高まる朝鮮半島に迫る米空母の戦闘力とは-。(岡田敏彦) 長い槍 朝鮮半島近海に向けて航海しているのは空母カールビンソンを中心とした空母打撃群で、同空母のほかにイージス駆逐艦2隻とイージス巡洋艦1隻で構成されている。空母打撃群は通常、空母に加えイージス艦3〜6隻、潜水艦や補給艦などで構成させる。ではその戦闘力の主役はというと、実は艦船ではない。空母打撃群の「長い槍」となるのは、空母に搭載されている艦載機だ。 カール・ビンソンが搭載している航空機はマクダネル・ダグラス社(現ボー