【最後の海賊・連載第2回 後編】NTTドコモ、KDDI、そして孫正義率いるソフトバンク。日本の携帯電話市場では「3メガ」と呼ばれる大手3キャリアがそのブランドを確立している。そこに割って入らんとする「楽天モバイル」の新規参入は、“無謀だ”と思われていた。しかし、楽天を率いる三木谷浩史は、タレック・アミンとの出会いをきっかけに大勝負に打って出た。そして孫正義にとっても、ビジネスを発展させていくうえでのキーマンがいた。週刊ポスト短期集中連載「最後の海賊」、ジャーナリスト・大西康之氏がレポートする。(文中敬称略) * * * ソフトバンクにとってアミンと同じ「イノベーター(革新者)」の役割を果たしたのは現在ソフトバンク社長の宮川潤一と同社常務の筒井多圭志である。 愛知県犬山市で臨済宗の住職の息子に生まれた宮川は、後継ぎになることを期待されて花園大学仏教学科に進んだ。だが1988年に卒業すると、寺